アルコールの合成②

2020年6月1日

さて前回の続きから

「アルコールの合成」の2つ目、カルボニル化合物の還元を説明していくね。

前回最後に説明した酸化、還元を思い出してほしいのだけれど

カルボニルの還元というのは要するに、をもらうことだ。
要は以下のようにな感じでアルコールになるってことだね。

さてこの反応には
・触媒的水素化
・ヒドリド還元
といった2つの方法がある。

順に見ていくとしよう。

触媒的水素化

こいつはシンプルな話で触媒(Pd,Niなど)用いて水素化するってことだよ。
下図のような感じだね。

ヒドリド還元

さてこっちが今回のメインかな?簡単に言ってしまうと、ヒドリドを使って還元する方法だ。

さて、聞きなれない単語が出てきたね。
ヒドリドっていうのはのことで正式には水素化物イオンという。
ちょっと見慣れない感じがするかもだけど見たままで
マイナス電荷の水素イオンのことだ。

多分全く何を言っているか訳がわからなくなっていると思う。
まぁ深く考えずに進んでいこう(笑)

とりあえず代表的な化合物としては
NaBH(水素化ホウ素ナトリウム)

LiAlH(水酸化アルミニウムリチウム)
がある。
ということで、まず構造を見てみよう。

さてこれだけだとよくわからないと思うので
ルイス構造で見てみよう。

オクテット則では電子を8個持っている状態が一番安定だったよね?
例でいうところのAlっていうのはHよりも電気陰性度が小さい
だから電子2個分はHが持っていた方がまだ安定になるっていう状況が出来ている。
だから(ヒドリド)という珍しい状態が出来上がっているってことだね。

で、それぞれカルボニルと反応させると下のようになる。

・NaBHの場合

・LiAlHの場合


Et→Etanolの略です。

アルコールが出来たね。
さて、気づいた人もいると思うけど、この2つはカルボニルを還元するとき微妙に必要な条件が違う。

じゃあそれぞれもうちょっと詳しい反応を見てみよう。

・NaBHの場合

・LiAlHの場合

こいつの場合は2段階の反応機構だ。


さてじゃあ必要な条件の違いとはなんだろうか?

・・・答えは溶媒
プロトン性溶媒

非プロトン性溶媒(今回はEtOだね)
か、ということだ。

じゃあなぜこういった違いが出るのか?なんだけど
そもそもこの2つの化合物がどういった使い方をされるのかをまず紹介しておこう。

まぁ2つとも便利なもので強力な還元剤として働いてくれる。
特にアルデヒドやケトン、カルボン酸、エステルをアルコールへ還元する時には重宝する

ただLiAlHに関していうとプロトン性溶媒を使うと以下のように水素が発生してしまう。

ハガレンマスタング大佐がラストを木端微塵に吹き飛ばしたシーンを覚えているだろうか?
まぁあんな感じの出来事が起こります。

なので還元剤にあわせて溶媒は危なくないものを選んでね♪

もうちょっと続きます。

ではまた次回

© 2019 猫でもわかる有機化学