塩基性の強弱

2020年6月3日

さて酸性とくれば、次は塩基性の強さだよ。
考え方のベースは酸性と変わりないから、酸性が分かっているとさらっと理解できると思います。
逆に酸性の強弱への理解が弱いまま進めると高確率で悩むと思うので、まずは酸性について理解をしてから読むことをお勧めします。

さて何はともあれ以下の式から

酸性の強弱と考え方は同じなので、結論を先にいうと、塩基性の強さは共役酸が安定なものほど強くなるよ。
共役酸が安定と言うことは言い換えるなら+の電子を持っていても安定ということだ。
これは要するにHの近くに-の電荷(電子)がたくさんある状態ということ。
思い出してほしいけど、-は電気陰性度の大きい原子ほど持っていても安定だったよね。
だから、基本的に-はOやN上にあるんだ。
まとめると塩基性は共役酸が安定もしくはO,N上の電子が多いほど強くなる
どういう状態のときに電子が多くなるかって言うと、酸でも出てきたけど主に
・I効果
・R効果
・共鳴
・芳香属性
が重要になってくる。
この辺は酸と逆になれば塩基性が強くなると考えてくれてOKだよ。

ではおさらいの意味も込めてざっくりと

I効果

-I効果が働けば電子が求引される。
結果としてHが結合する原子の近くに電気陰性度が高いものがあれば塩基性は弱くなる。

逆に+I効果が働けば電子が与えられるので塩基性は強くなる。

R効果

I効果と同じ結果につながるものだから以下のような感じになる。

-R効果が働けば電子が求引される
結果としてHが結合する原子の近くに電気陰性度が高いものがあれば塩基性は弱くなる

逆に+R効果が働けば電子が与えられるので塩基性は強くなる。

共鳴

まぁようは酸性の時との効果が得られるってことだね。
なぜなら共鳴の数が多いほど電子が分散してるからだ。
結果として塩基性は弱くなるよ。

4.芳香族性

こいつについてはまず以下を見てほしい。

このピリジンっていう物質はN上の電子が芳香属性に関与しないんだ。
4n+2(6)個の電子が共鳴に関与してるからね。

一方ピロールはN上の電子が関与して芳香属性を持っている
2重結合の4個+N上の2個=6個
分子は安定な構造をとろうとするからピロールのN上の電子は芳香属性に使われる。
結果として電子は環内に分散される。
基礎編:酸性の強弱 の最後に触れたけど共鳴の時に動く電子の数が増えると負電荷が増える。
ようするに酸性が強くなる。
上記の理由により、ピロールの塩基性はピリジンよりも弱くなるってことなんだ。

ではまた次回。

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