アミンの反応③
それでは続きからー
3.ニトロソ化
まずニトロソ化とは有機化合物に
ニトロソ基(-NO)を導入する反応のことだ。
このニトロソ基を含み、R-N=Oの構造の化合物を
そのまんまニトロソ化合物という。
※こいつは人への影響として発がん性だったりとか
□肝機能障害の原因になってたりすることが知られているので
□なかなかに危険です。
□実際に事件もあったらしいので興味があれば調べてみてください。
基本的にニトロソ化合物は、以下のように
アミンと亜硝酸(HNO3)と反応させることにより
亜硝酸からできたNitrocyl cation(ニトロシルカチオン:NO+)へ
アミンが求核攻撃することでできます。
さて、上の例では第三級アミンを使ったんだけれど
第二級、第一級アミンを使うと上とは異なった生成物になったりする。
では順番に見てみよう~
・・・と、その前に
亜硝酸から ニトロシルカチオンができる反応機構を説明しときます。
出発は
亜硝酸ナトリウムと塩酸を反応させて亜硝酸を作る
ところから始まります。
補足として亜硝酸は不安定
なので使用直前まで安定な亜硝酸ナトリウムの状態で
保管しておく必要があります、ご注意を
この後は塩酸のおかげで酸性状態になってるので
自動的に亜硝酸とニトロシルカチオンが平衡状態になるまで待ちます。
これで準備はOK。
それでは見た感じ的に良く反応しそうなニトロシルカチオンと
第三級~第一級アミンの反応について順番に見ていこう。
(1)第三級アミン
まず最初の例でも使った第三級アミンから~
第三級アミンとニトロシルカチオンからは
第三級N-ニトロソアンモニウム塩ができます。
あえてあまり補足することはないかな。
見て想像つくと思うけど、第三級N-ニトロソアンモニウム塩は不安定なんだ。
なので加熱するとすぐに分解していろいろごちゃまぜの混合生成物になってしまう。
なので、保管するためには低温にしないといけないよ。ご注意を。
(2)第二級アミン
第二級アミンとニトロシルカチオンの場合は、
第二級N-ニトロソアンモニウム塩を経由して
ニトロソアミンができる。
第二級N-ニトロソアンモニウム塩は第三級と同じで不安定なんだけど
N-ニトロソアミンは安定です。
最初にニトロソ化合物は人体に有害っていう小噺をしたけど
N-ニトロソアミンは安定なため分解されにくく、質の悪さがマシマシになります(-_-;)
現在は世界中でこいつが含まれていないかのチェックが強化されていて
最近は日本でも厚生労働省がほぼ全ての医薬品について
自主的に有無をチェックしろと製薬企業に命令注意喚起し始めてたりするよ。
※「自主的」でコスト事情を企業にぶん投げる
□ジャパニーズストロングスタイル・・・( ノД`)
第一級はちょっと長くなりそうなので
一旦今回はここまででーす。
ではまた次回。
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