アルケンの特徴②

2020年6月28日

それでは前回の続きから

3.酸性度

前回から繋がる話になるのだけれど
s性が高い→電子吸引性が高い
↑から何が言えるか?というのがこの項目のポイントだ。

電子吸引性が高いということはつまりは電気陰性度が強いってことなんだよね。
つまりはそれだけ共役塩基が安定化されている

ここまで来ると何かを思いださないかな?
※忘れていれば 基礎編:酸性の強弱

つまりはアルカンとアルケンを比較した場合、アルケンの方が酸性が高いという話なんだ。
まぁこれもあくまでアルカンとアルケンの比較なので
酸性の強さという点においてはアルコールや硫酸なんかに比べると
ドングリの背比べだけど…

下図の通りpKaに直すとアルカン50、アルケン44という異常な数字になるね。
まぁ参考程度で。

 

4.沸点・融点

そしてお次は物理的性質代表の融点・沸点だ。

以下を例に説明していこう。

アルカンがbutane
アルケンがtrans-2-butene、cis-2-butene
だよね。

まずは沸点について
今まで何度か紹介しているので想像はつくと思うけど
アルカンとアルケンを比較した場合は分子間の相互作用が大きい(二重結合あるからね)
アルケンの方が沸点は高くなる。

そしてtransとcisでも差が出ているよね。
詳しくは次回の6.相対的安定性で解説するけど
ようはcisの方がtransと比べてより安定な状態になっているからなんだ。
まぁ詳しくは次回で。

そして融点について
なんとなく沸点と同じになる感じもするけどなんと
trans-2-butene>butane>cis-2-butene
といった順番になる。

さてなんでだろう?

これについてはそもそも融点とは何か?という所から考える必要がある。
融点とはご存じの通り固体から液体に変わる現象だ。
そしてポイントとなるのはこの時の原子、分子がどういった状態にあるか、ということなんだ。

昔学校(中学くらいかな?)の教科書で
固体→液体→気体
と状態が切り替わるごとに原子・分子がより自由に動けるようになる絵があったりしなかっただろうか?

ようは融点というのは
熱エネルギーを原子、分子に与えて
ある程度自由に動けるするために必要な温度
ということになるんだ。

さてちょっと雑で申し訳ないけど以下を見てほしい。

こいつは各化合物が固体となった時の簡易的なイメージだ。
固体になるっていうわけだから原子、分子は隙間なく積み重なっていき、動けなくなる
で、cisは見ての通りで隙間が出来やすくて密に充填しにくい。(形からU字型構造っていうよ)
なのでちょっとの熱で簡単に動けるようになってしまうんだ。

で、残るはtransとアルカンになるのだけれど
上記の理屈だとアルカンがより密になりそうだが実際はtransに大きく差をつけれている。

これにはファンデルワールス力が関係している。
※忘れていれば 基礎編:原子、分子の間に働く力

ファンデルワールス力が強いほど分子同士を引きはがすのにより強いエネルギーが必要になり融点が高くなる
まぁここまではいいだろう。
で考えるべきはなぜ同じような直線構造に見えるアルカンとtansのアルケンで差が出ているのか?というところだ。

これについてはsp3混成軌道とsp2混成軌道がそれぞれどんな状態であったのかを思い出してほしい。
sp3混成軌道は正四面体構造
sp2混成軌道は平面三角形

だったよね。

そしてファンデルワールス力は、平面三角形の方が強い
だからsp2混成軌道をもつアルケンの方がファンデルワールス力は強くなり
結果融点が高くなっていた、ということなんだ。

2回目こんなところで。

ではまた次回。

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