E1反応
それでは脱離反応の1つ目
E1反応について説明するよ。
※求核置換反応が説明済みなので、今回は順番通りに1から紹介していくね。
まずは前回の脱離反応で紹介した以下の反応を見ていこう。
この反応をもう少し細かく表現すると以下のようになる。
脱離反応で大筋は説明しているのでざっと解説すると
脱離基(Br)が取れた後
カルボカチオンからH+が1つ取れて
2重結合を生成する。
そして
SN1反応の求核剤(OH-)がカルボカチオンを攻撃する。
さてちょっとした復習なのだけれど
SN1反応の由来はいったいなんだったか覚えているかな?
そう
・反応速度に関わる分子が基質の一分子
だからだったね。
じゃあなぜ求核剤に関わる反応が考慮されないのか?
そう
・基質に関わる反応時間が圧倒的に長い
からだったね。
そしてこの
圧倒的に長い→一番時間がかかっている
部分を律速段階といったよね。
お察しの通りで図の赤矢印&赤枠で囲った方が律速段階になる。
さて、ここまでくればピンときてほしいところだけど
結論としては
・E1反応が起こるときは、SN1反応がほぼ必ず起こる(というかSN1がメインの反応になる)。
・反応速度を速くする方法は、SN1反応と全く同じになる。
ってことだね。
...ちょっと短いのでオマケ。
今回はどのH+をとっても生成物の量は変わらないのだけれど
例えば以下のような場合には生成物の量が変わってくる。
細かい部分はまたどこかで解説しようと思うけど
一先ずは
2重結合を作るCに結合する置換基の数が多い生成物ができやすい
くらいで覚えてもらっていたらいいかな。
ザイツェフ則っていうのだけれど
これは応用編に入ってから紹介しようかと思います。(いつになることやら…)
そんなところで、ではまた次回。
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