求核置換反応
基礎編:ハロアルカン で説明したことって言い換えると
ハロゲンに結合した炭素原子は正の電荷を持っている
ってことなんだよね。
これから何が予想出来るか?というと
負の電荷をもつ化合物と反応しやすい
ってことなんだ。
この性質のおかげでハロアルカンは以下のような反応を起こしやすい。
目新しい言葉がワサワサ出てきたので、解説を。
求核剤(Nuclephile)
“Nu"っていうのは見ての通り、英単語の頭文字からきている。
“求核剤"っていうのは負電荷や共有電子対をもつ、
もっと単純にいえばたくさんの電子を持っている試薬なんかのこと。
で、なんでそういうものを“求核剤"なんていい方をするかっていうと
この反応を見てもらうと分かると思うけど、
電子不足になっている炭素原子に求核剤がひっついて
他の原子を追い出す構図になっている。
“核"っていうのは正電荷を持っている部分、ここでいう炭素原子のことを指していて
「核を求めるもの」ということで、“求核"剤って呼ばれてます。
基質
教科書的には「酵素によって反応を触媒される物質」とかなんとか書いてあるかもだけど
どシンプルにいってしまうと、何かを作る時の原料のことだよ。
それ以上でも以下でもありませぬ。
脱離基
求核剤でも少し触れたけど、ここでいうハロゲンにも電子はある。
だけど求核剤と比べると結びつきは弱い。
だから追い出されてる。
この追い出されたものを脱離基というってことだね。
まぁ名前のまんまだよ。
ここではさらっと流すけど、後々の反応の説明で必要になってくるから覚えておいてね。
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で、この反応は求核剤がハロゲンと置き換わるので求核置換反応と呼ばれている。
英語では
“Nucleophilic Substitution"
ちょっと無理やり感があるけど、この2つの単語の頭文字をとって入れ替えると、"SN"になるよね。
実は今まで言葉だけ出てきたSN1、SN2反応っていうのはこの求核置換反応の一種なんだ。
ではこのSN1、SN2の違いはなんなのか?
細かい話は別途するとして代表的な反応を見ながら比較してみよう。
SN1反応(別名:一分子求核置換反応)
SN2反応(別名:二分子求核置換反応)
細かい解説は別途するとして、とりあえず結論だけいっちゃうと
この求核置換反応の反応速度に関わる分子が何か?っていうところで別れてる。
関わる分子が
「基質だけ」の場合は一分子だからSN1
「基質と求核剤」の場合は二分子だからSN2
になるってこと。
ちょいとネタバレすると「SN2」の方が単純。
なので、次回はそこら辺を説明するよ♪
ではまた次回。
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