アルコールの特徴②
さてでは前回の内容を思い出しつつ続けます。
酸としての役割
さて上図のことは覚えているかな?
※忘れていたら、基礎編:酸・塩基の平衡 へ
さてまず考えてほしいのはどっちのアルコールの
酸性が強いのか?ということだ。
pKaのことを覚えていれば簡単、この場合
1級アルコール>3級アルコール
になる。
ではなぜこういった結果になるのか?
ということを考えてみよう。
まずそれぞれのアルコールにおいてH+脱離後どういった状態なのかを確認してみるとしよう。
1級アルコール
3級アルコール
見たままというか基礎編でもよく出てきたけど
基本的にこの分野の物事ってものは安定に向かって動いていく。
今回はの安定化の要素として考えられるのは
H+脱離後の共役塩基のO-
になる。
こいつが安定になるために必要なものは
周りにあるH2Oの部分正電荷
になるわけだ。
さて図を見たらなんとなく分かってもらえると思うけど
H2Oの部分正電荷になる度合いが
1級アルコールと3級アルコールで比べた時
1級アルコールの方が周囲に邪魔するもの(アルキル基)が少ない分大きくなるんだ。
なので、まとめるとアルコールの酸性の強さは
1級>2級>3級
になるよってことだね。
さて、ここでちょっと意地悪な問題を出してみよう。
以下の3つが何でこうなるのか分かるかな?
①CH3CH2OH pKa=15.9
②CF3CH2OH pKa=12.4
③CF3CH2CH2OH pKa=14.6
まずと①と②について
HがFに置き換わることで、酸性が強くなっているね。
※なぜFに置き換わると酸性が強くなるのか?
忘れていたら 基礎編:酸性の強弱 へ
さて続いて②と③だ。
とりあえず図にすると以下みたいな状況になっている。
要因としては①と比較した時と同じで誘起効果の特性に関係がある。
まぁ単純な話『距離が近い方が効果は大きい⑨』ってことだ。
これも基礎編で既に紹介しているので、忘れてたらチェックするようにしてね。
塩基としての役割
さてでは最後は酸性ときたら?ということで塩基について紹介しよう。
まぁご存知の通り酸性とは裏表な関係なので、同じような話になる。
まずは以下を見てほしい。
アルキル基が短くなるほどpKaが減少している、つまり塩基性は減少している状態だ。
さてまずもってこの状態は不安定だ。
だから早くH+出して安定した状態になりたい。
そしてアルキル基長くなるほど不安定になる。
なぜかというと・・・まぁ理由は酸性の時と同じだね。
以下のようにかさ高くなるほど溶媒和されにくくなっているってわけだ。
結果としてH+が出しにくい→不安定
な状態ってことだね。
ちょっと長くなったけど以上がアルコールの特徴でした~。
次は実際にアルコールがどうやって使われていくか?
を見ていくよ!
ではまた次回。
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