カルボン酸の特徴②
それでは続きからー
1.命名法
(3)飽和環状カルボン酸の場合
“不飽和"っていう言葉が出たところで触れたかもしれないけど
飽和っていうのはC-Cの結合が全て単結合のものをいう。
つまりは全部単結合の環についているカルボン酸のことだ。
こういった化合物はシクロアルカンカルボン酸(cycloalkanecalboxylic acid)と命名します。
例を見てみよう。
答えは既に書いてしまっているけど細かく見ていくと
①シクロアルカンはCが5個なのでcyclohexane
②カルボン酸が結合しているCを1とするとBrは3となる。
③結果3-bromocyclohexanecarboxylic acidとなる。
ってわけです。
(4)芳香族カルボン酸の場合
芳香族については 応用編:ベンゼンの特徴② をご参照。
別名で安息香酸(benzoic acid)類とも呼ばれている。
理由としては、まぁカルボン酸を持つ芳香族はCが6個のものばっかりだからだね。
ちなみに
IUPACではbenzoic acid
慣用名が安息香酸
なので注意してください。
命名法については(3)飽和環状カルボン酸の場合 と同じになる。
例を見てみよう。
①Cが6個の芳香族カルボン酸なので benzoic acid
②カルボン酸が結合しているCを1とするとOHは2となる。
③結果2-hydroxybenzoic acidとなる。
ってわけです。
余談だけど、こいつの仲間で2-hydroxybenzoic acid(2-ヒドロキシ安息香酸)っていうのがある。
慣用名はsalicylic acid(サリチル酸)、鎮痛薬として昔から使われている薬として有名だね。
さらにこいつの酢酸エステル(下図)であるアスピリンは某半分は優しさで出来ているラムネ菓子の主成分です。
(5)ジカルボン酸
ここまで読んで来てたら「ジ」で何が言いたいかはわかるんじゃないかな?
ご想像の通りカルボン酸が2つあるものをジカルボン酸といいます。
そしてこいつをIUPACでは、二酸[dioic acid]と呼びます。
ちなみにジカルボン酸の慣用名もカルボン酸1つと同じく最初に単離された天然の由来(原料名)を指していることが多い。
例えばブタン二酸はコハク酸→succinic acid(ラテン語で琥珀はsucciniumu)
といった感じです。
※気になったら他も調べてみよう。
また、気が付いた人もいるかもしれないけど
当然カルボン酸が2つということで、cis、transの構造が出来てくる場合も考えられる。
この場合、cis、transで慣用名が変わるものもあったりするので注意が必要です。
これも慣用名はラテン語からきている。
マレイン酸(maleic acid)
はリンゴ酸(malic acid)
※リンゴ酸はリンゴ(malum)から発見したのでこの名前がつきました。
フマル酸(fumaric acid)
はヒョウタンゴケ(fumaria)
※ヒョウタンゴケを燃やすと悪霊が追い払えると思われていました。
■ヒョウタンゴケは植物の名前でコケというよりかもやし的な形をした草です、気になったらGoogle先生で…
さて、命名法はここまで
特徴はまだまだ続きますよー。
ではまた次回。
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