アルキンの命名法
さて、前回まででアルケンを一通り紹介し終えたので
今回から アルキン について説明していこうと思います。
でも少しだけ触れたのだけれど、
CnH2n-2(n≧2)であらわされる有機化合物だ。
C-Cの間で三重結合をもっているのが特徴だね。
ということでまずはアルケンと同様に命名法の深堀から初めていくとしよう。
まずは基本の復習から。
体系的命名法ではalkane(アルカン)の語尾のaneをyneに変える。
続いて慣用的命名法ではalkane(アルカン)の語尾を…
といきたいところだが、ここはそうはならずに
acetylene(アセチレン)
になるので注意が必要だ。
なぜこうなるのか?っていうのには諸説があるので
興味があれば、調べてみてね。
※発見のタイミングが2つあってそれぞれの時期で解明されていた構造式の違いではないかといわれています。
ちなみにCが3個以上になる場合、例えば
みたいな場合はどうなるかというと
増えた分+acetylene
になる。
上の例では増えたCの数は1つなので
メチル+アセチレン
となり
メチルアセチレン
になる。
もう1つ考えてみよう、以下は何になるだろうか?
そう、プロピルアセチレンになるってことだね。
まぁ、これは官能基の命名法と同じに考えてもらえば難しい話ではないと思います。
そして置換基の場合
体系的命名法での alkyne の語尾を yne から ynyl に変えてやればいい。
さて命名法で共通の細かい部分については
基礎編:命名法
応用編:アルケンの命名法①
応用編:アルケンの命名法②
を見ていただくとして、実際に名前をつけてみよう。
まぁ基本的には既出のルールにのっとっていけば問題ないので
今回はわかりきったものはせずに
少し意地悪な問題を出してみるね。
いきなり?と思うかもしれないね(笑)
これは見ての通りアルケンとアルキンが一緒に存在している化合物だ。
このパターンでも決まりはきちんとあるので安心してほしい。
そのルールというのが
アルケン+yne(アルキンの語尾)
というものだ。
なので上の例の場合は
1番順位が高い官能基は-OHなので
といった順番になる。
なので後は語尾の1-olを後ろに着けて
1-butene-3-yne-1-ol
になるってわけだね。
ではまた次回。
© 2020 猫でもわかる有機化学