アルデヒドとケトンの特徴①
さて今回はからは共に似たような構造(カルボニル基:-CO)を持つ
・アルデヒド(-CHO)
・ケトン(-CO-)
について説明していくよ。
構造から分かる通りで
カルボニル基は色んな化合物に関わることが多い。
なので有機化学の世界ではトップクラスに重要な官能基と考えている人も多い。
カルボニルとケトンは一緒じゃない?と思うかもしれないけど
まぁここら辺はややこしくカルボニルについていうと
通常は原子2つと結合するのが1つに(二重結合が2つになる)なることもあって分けて考えられております。
※大雑把な分類は 基礎編:有機化合物の分類 で紹介してます。
では例によって特徴から~ポイントは以下の3つ
1.命名法
2.カルボニル基の構造
3.物理学的性質
では順番にいってみよー。
1.命名法
(1)アルデヒド
IUPAC命名法では
alkaneのeをalに置き換える。すなわち
alkane→alkanalが基本だ。
ちなみに下だと、3-bromobutanalとなる。
さて少し前にベンゼンにも触れているので
ついでに環に結合している場合も紹介しておこう。
基本は
calbaldehyde
だ。
そしてこいつがついているところから位置番号を付ける。
例えば以下のような感じだね。
この場合は
3-bromocyclohexanecalbaldehyde
となります。
お次は慣用名。
※基本的には慣用名は構造から判断できないので覚えるしかない。
まぁここら辺は割り切って頑張ってください。
<オマケ>
↑の通りなんだけど実はカルボン酸は
慣用名に対応しているものが結構多い。
例えば以下を見てほしい。
カルボン酸の慣用名の語尾aldehydeを-icや-oic acidをに
変えればなんとかなることが多いです。
(2)ケトン
IUPAC命名法では
alkaneのeをoneに置き換える。すなわち
alkane→alkanone
となる。
ちなみに下だと3-hydroxy-2-pentanoneとなる。
さて、ここでもついでに環に結合している場合も紹介しておこう。
基本は
cycloalkanone
だ。
ということで下の場合、3-methylcyclohexanoneとなる。
そして慣用名。
まぁ内容的にはアルデヒドと一緒です。
(3)置換基の場合
さてここでは 基礎編:命名法 で紹介した
「官能基の順番」を思い出してほしい。
アルデヒド、ケトンより優先度が上のもの(カルボン酸とかね)がある場合は、
当然アルデヒド、ケトンは以下のような置換基の名称で呼ばないといけないよ
という話です。
RCOはどっちなの?と思ったあなた
立派な理系脳です、ご愁傷様(笑)
説明しておくと
alkanoylは新しい呼び方。
acylは古い呼び方。
まぁでも今でもacylの方がよく使われている感があるかな…
慣用名では acetyl で
やっぱり慣用名が名前が一般的な感じです。
でそれを考慮して名前をつけると以下のようになります。
また当然アルデヒドとケトンが一緒になっている化合物もある。
その場合は「官能基の順番」で考えると?
そう
アルデヒド>ケトン
だったよね。
ややこしいのだけれど、この場合はケトンの位置を
oxo
っていう特別な呼び方をする。
3-oxobutanal
になります。
ではまた次回。
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