それでは続きから~
後半部分に入ったくらいなのでまだまだ続きますが
お付き合いください。
さて前回までの話はいってみれば
Oによる求核攻撃
だった。
タイトルからも察しが付くかもしれないけど
電気陰性度がOの次に高いN
でも、同じような求核攻撃が出来る。
注意点として
出発物によって生成物が違ってくる
ので分けて説明していきます。
それでは順番にいってみよう。
まずざっくりとした反応を
アンモニアや第1級アミンは↑のように反応し
ヘミアセタールの窒素類縁体のヘミアミナール[hemiaminal]
を経由してイミン[imine]となる。
新しい言葉がポツポツでているので補足すると
まず類縁体について
ちょっと曖昧な表現になってもうしわけないけど
言ってみればよく似ているけどまったく一緒ではない物質のことだ。
・モンハンで言う亜種
・ポケモンで言うアローラ地方なんかの独自進化
・FGOで言うオルタ化
みたいなものをイメージいただければと思います。
ヘミアミナールはヘミアセタールのC=O部分が
C=Nに変わったので“窒素”類縁体と呼ばれています。
あとイミンは古い呼び名だとシッフ(schiff)塩基なんて言ったりもする。
この反応は、2分子が結合して水など小さな分子が脱離しているので
縮合反応(condensation)
とも呼ばれます。
反応機構は以下のような感じ。
こいつの逆反応はアセタールの時と同じなので…
※OをNに置き換えればOK。
ちなみにだけどイミンはとても加水分解されやすいので単離が難しい。
なのでイミンを単離するためにはアセタールの時のように反応機構を右に傾かせる必要がある。
2段目の反応にH+があるので、まぁ当然酸触媒は必要だね。
そして必要なものはもう1つ。
途中でH2Oが発生しているのはわかるかな?
この水を脱水剤などで排除すれば右に反応を傾けることができる。
ようするに単離が可能となるわけだ。
まとめると、反応を促進するには
・脱水剤
・酸触媒
ってことだね。
ただ入れすぎるとアミンもプロトン化されて
求核攻撃が起こせなくなるのでご注意を。
さて色々書いたけど
結局このイミンは何なの?と思っている人もいると思うので
簡単に紹介しておこう。
イミンの主な役割はアルデヒドやケトンの特定だ。
イミンにすることで
特定の融点を持つ化合物になる
だから、この物質はこのアルデヒドまたはケトンということがわかるってわけだね。
こいつについてはまず反応を見てみよう。
以下のように第2級アミンと反応させると
ヘミアミナールを経由して、エナミン(enamine)になります。
名前の由来はアルケンのeneとアミン(amine)を足すとenamineになるから。
そして反応機構は以下。
まぁほぼ同じ話なので諸々は(1)をご参考に…
※エナミンもそのままでは簡単に加水分解しちゃうからご注意を。
まぁエナミンはアルキル化に役立つんだけどそれはまた後日説明いたしまする…
ではまた次回。
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