カルボン酸誘導体-ハロゲン化アシル②

それでは続きからー

5.アミンとの反応

さてここでちょっとした復習だ。

塩化アルカノイル

第1級アミン、第2級アミン、アンモニアを反応させると出来るものはなんだったかな?

そう アミド だ。
※忘れていたら 応用編:カルボン酸の反応⑤ で復習を

そしてアンモニアはアミドの合成にとても重要なんだ。
なぜならNHはHOよりも
求核性が高く、カルボニル誘導体と反応しやすい
からだ。
エステルと同じように反応後に生成するHClは添加された塩基(アミンでもOK)によって中和される。
反応機構は以下の通り。

さてここで
第3級アミンは?
と思った人もいると思うので補足を。

アミドができるためには最後にNのHを1個脱離する必要がある。
しかし、第3級アミンにはそれがないのでアミドを生成できないんだ。

ちなみに第3級アミン上に求核攻撃できるものが存在すれば、
以下のように正電荷を持つNが近くにあるおかげで、
C=OのCにより求核攻撃しやすくなっているため、
求核攻撃が行われ、Nの部分が脱離し、アシルアンモニウム塩ができます。


OHが求核攻撃できる部分です。

6.有機金属反応剤 との反応

以下のように塩化アルカノイル有機金属反応剤(RLi,RMgX)と反応させると
ケトンが生成する…と思った人は落ち着いて思い出してほしい。

実はケトン自身も有機金属反応剤と反応しやすい性質がある。
なのでそのままアルコールになりやすい。

ということで、ここで使う有機金属反応剤は
有機キュプラ―ト反応剤を使えばいいんだ。

※参考 応用編:α,β-不飽和カルボニル化合物の反応③

この理由としてはRLiやRMgBrよりも
「選択性」が高いので、生成物のケトンと反応しないからだ。

ちなみにここではRLiやRMgBrは
ハロゲン化アシルの時だけでなくケトンの時のC=OのCも攻撃できる。

ということで先の言葉の逆張りで「非選択性」と呼ばれてたりします。

7.還元反応

こいつについては前置きは特にない。
単純にハロゲン化アシルはヒドリド還元によってアルデヒドを生成出来る、という話だ。

ただしここまで読んで来てくれている人はお察しの通り
何事においても簡単に上手くいくことは少ない
今回の場合NaBH(水素化ホウ素ナトリウム)やLiAlH(水酸化アルミニウムリチウム)は
アルデヒドをそのままアルコールまで還元してしまう
つまりは、アルデヒドをゲットすることが難しいということだね。

そしてここでも先の「選択性」が問題になる。
アルデヒドまで還元する強さがあるが、アルカンまでは還元しないという
絶妙な強さの還元剤にするってことだ。

ということでまず、以下のように
LiAlHを3分子の2-メチル-2-プロパノール(tert-ブチルアルコール)
と反応させて還元の強さを弱める

これによってヒドリド4つのうち、3つが中和されるので
残りの一つが塩化アルカノイルを攻撃するといった状態を作ることが出来る。
こいつはすでに十分反応したせいなのか
アルデヒドを攻撃するほど強くはないんだ。
結果、以下のようにアルデヒドで反応が止まるんだ。

以上、駆け足だったけど ハロゲン化アシル についてでしたー。
次回は 酸無水物 です!

ではまた次回。

 

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