さて今回からはα,β-不飽和カルボニル化合物の反応について
主なものは以下…多いので例によって分割していきます。
1.水素化
2.ハロゲン化
3.共役付加反応(基本)
4.有機金属反応剤
5.ジアルキル化
6.Michael付加
7.Robinson環化
まぁまた多いな…と感じるかもしれないけど
実はこれ、以下のような3つの反応に分けることが出来る。
・アルケンとしての反応
→C=C部分のみの反応
・カルボニル化合物としての反応
→C=O部分のみの反応
・不飽和カルボニル化合物としての反応
→C=C、C=O両方がからむ反応
…さてちょっとおや?っと思った人もいるんじゃないかな。
ぶっちゃけるとタイトルに該当するのは1つだけだ(-_-;)
だけど今まで学んできたことも使っていくことにはなるので
ので全く紹介しない、という訳にもいかないんだよね。
※忘れてたりした時は参考をリンクしておくので都度復習しながら進めて行ってね。
それではいってみよー
タイトルに見覚えがあるんじゃないかな?
参考 応用編:アルケンの反応① – 水素化反応
こいつは言ってみれば先に紹介した
アルケンとしての反応 その1 だ。
例えば以下のように炭素に担持したパラジウムを使って水素化すると飽和カルボニル化合物となる。
※担持が分からなかったら 応用編:オキサシクロプロパンの合成 へ
※分かりづらいかもしれないけど、出発物質はα,β-不飽和ケトンです。
こいつの特徴としてC=CとC=Oが両方ある場合はC=Cのみ還元する、というものがある。
明確な理由はまだ不明なんだけど研究により
C=Oのみの場合はC=Oを還元するのに
C=CとC=Oが両方ある場合はなぜかC=Cのみを還元し、C=Oはほとんど還元されないということがわかっているんだ…謎だね。
さて、じゃあこの場合C=Oのみ水素化できないのか?というとそんなことはない。
詳しくは 応用編:アルコールの合成② を見直してほしいのだけれど
簡単にいうとNaBH4やAlLiH4などのヒドリド反応剤を使うことで以下のようにC=Oのみ水素化し、不飽和アルコールを作ることはできます。
が、現実問題としてヒドリド反応剤は高価なのであんまり使われることはありません。
現在安く作れる方法が研究されてるみたいです。
続いて
アルケンとしての反応 その2 だ。
まぁこいつも見覚えがあるよね?
参考 応用編:アルケンの反応②
例えば以下のように臭素化反応を起こすことで、ジブロモカルボニル化合物にすることができる。
さてここで気にしておいてほしいんだけど
これはあくまで「アルケン」にBrが1,2-付加したものだ。
なぜ「アルケン」を強調するかというと、次に説明する
3.共役付加反応(基本)
で付加がたくさん出てくるので、ごっちゃにならないように念押ししています。
まぁ次を見て混乱するようなら一度戻って読みなおして下さい。
ではまた次回。
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