さて、お次はアミンの合成方法について説明するよ。
ポイントは以下の4つ
1.カルボニル化合物の還元
2.カルボン酸アミドの還元
3.直接的アルキル化法
4.間接的アルキル化法
それではいってみよー。
まぁタイトルの通りなんだけど
以下のようにカルボニルとアミンを反応させ、
イミンを作った後、還元することでアミンを合成できます。
一応補足しておくと
この例だと第一級アミンを使ってるので第二級アミンができているんだけど
例えばNH3を使えば第一級アミンができるよ。
真ん中のイミンについては アルデヒドとケトンの反応⑤ をご参照ください。
ここでは還元剤NaBH3CNのところからあんまり見る箇所はないけど
反応機構を見ていきましょう。
さてここでなんでわざわざNaBH4ではなく、
NaBH3CNを使っているのだろうか?と思った人は大分頭がこっち側になってきた人だ(笑)。
この理由は、NaBH4のH-を出す能力が低いから、だ。
これに対してNaBH3CNは電子求引基であるCNがついているおかげで
Bの電子の量が少なくなる。
つまりHを放出しなくても安定なので
その後変な影響がなく反応が安定するからなんだ。
仮にNaBH4を使った場合は、H-を放出しやすいせいで
カルボニル(※)を還元し、アルコールにしたりする
ので反応が思うように進まない。
※カルボニルとイミンは平衡反応になるので
□NaBH4加えたときにカルボニルもあります
で、説明するまでもないかもだけど
第二級アミンを使えば当然第三級アミンができます。
どれも既出なのでざっとご紹介です。
(1)ヒドリド反応剤との反応
反応の詳細は カルボン酸誘導体-アミド② の同じタイトルをご参照~
カルボン酸アミドもLiAlH4等の還元剤を使えば
カルボニル(C=O)部分を還元し、アミンを合成できます。
※Cの数は反応前後で変わりません。
反応の詳細は カルボン酸誘導体-アミド③ のry…
以下のようにカルボン酸アミドのC=O部分を丸ごと除去したアミンが合成できる。
※Cの数は反応後に1つ減ってます。
何が直接的なのか?というと
アミンをそのまま反応に使う
ということで直接的アルキル化法という名前がついています。
※つまり間接的とは…詳しくは次回で
まぁ結果として直接的でも関節的でもアルキル化法ってわけなんだけれど
アルキル化っていうのはド直球にアルキルをつける反応のことです。
つまりここでのアルキル化法が指す意味は
アルキルを付けることでアミンを作る合成方法っていうことだね。
直接的アルキル化法は
・求核置換反応
・脱プロトン化
の2段階の反応になっている。
ということで順番に見てみよう。
今更解説することもないのでとりあえず反応だけ
(2)脱プロトン化
一見するとすごく簡単に見えるかもだけど、この反応には1つ問題点があるんだ。
それは第一級アミンが出来たあとにハイ終了って出来ないんだよね。
つまりは以下のように反応は進み続けてしまい
最終的にアルカンアミンとアンモニウム塩の混合物ができしまうんだ。
なのでこの反応はアミンというよりも
むしろアンモニウム塩が欲しい人にお勧めの反応になっております(笑)。
きりが良いので本日はこの辺で~
ではまた次回。
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