電子環状反応②

それでは前回の続きから~

2.六員環

まぁ前回でもちょっと書いてるけど
四員環さえ理解していれば目新しいことはほぼないので
よくわからなかったら前回を復習してみましょう。

では以下を例に解説していくね。

(1)Δ(熱)

まずは熱の場合

で、こいつが電子環状反応起こすとこんな感じ

上2つの図を見てて気づいたかもしれないけど
四員環では同旋的に回転してたけど
六員環では逆旋的になっている。

こいつについては分子軌道の図の描き方の理屈を知っていると
初見で対応が出来て便利なのでついでに覚えておこう。

描き方のポイントは以下2つ
①節を0,1,2…と1つずつ増やす
②対照、反対称的を繰り返す

最初は少し戸惑うかもしれないけど、何回も繰り返せば身についていく
と思うので頑張って覚えてしまおう。

さて、では置換基がついている場合はどうなるのかを見てみよう。
まずは閉環から

四員環と違ってE,Z表記になっているのが気になるかもしれないけど
特に意味はない
まぁこういう書き方も出来たよね~ってくらいで思い出してくれたらいいかな。
※cis,transでも長い名前になっちゃうので
見えやすさを考えてE,Z表記にしてます。

また、もし回転するイメージがつかみづらいと思ったら
以下を参考に想像してもらうとわかり易いかも。

四員環の時と同じで環じゃないときは全部平面で、
置換基が90℃回転して環になるイメージです。

で、開環の場合は以下

まぁ、四員環と同じです。

(2)hv(紫外線)

続いて紫外線の場合~こいつも分子軌道から見てみよう。

ここまでくればわかるよね?
ということで、以下のような同旋的回転となります。

で、置換基がついていた場合
まずは閉環の場合

さっきやった通り、hvで六員環になる時は同旋的に回転する。
すると上記のようにラセミ体ができる。
※同旋的に回転するとは右回転、左回転があるからね。

回転するときのイメージ図は以下のような感じ。

大事なことなので何度もいうけど、
環になる前は平面、環になる時は置換基が90℃回転するイメージだよ。

お次は開環の場合

こんなところかな?
四員環がわかれば多分大丈夫だと思う。
むしろ分からなかったら四員環での理解が不足している可能性が
あるので戻って確認するようにしてくだされ。

電子環状反応については以上です。

ではまた次回。

 

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