オキサシクロプロパンの特徴

前回説明したエーテル繋がりで
今回はオキソシクロプロパンについて説明するよ。

簡単にいってしまえば3員環の構造をもった環状エーテルのこと。
別名はエチレンオキシド、オキシランなどいろいろある。
ちなみにIUPAC命名法では1,2-epoxyethaneでこれがむしろ一般的かな?
こんな構造です。

他の有機物質を合成するときによく使われるもので
洗剤やポリエステルの材料になる
・エチレングリコール
・エタノールアミン
の材料になったり、
医療器具の滅菌するときに使われる滅菌ガスとして使われたりと
割と身近なところで使われてる有機化合物だよ。
※ちなみに性質としては発がん性物質でもあり
分散爆発性(火花とか静電気で爆発する性質)があったりと
なかなかデンジャラスさんなのでご注意を(汗)

なんとなく想像はつくだろうけど大体は

な感じでシンプルに描きます。

さて簡単な紹介を行ったところで具体的な特徴を紹介していこう。
主な特徴は以下の2つ

・水、有機溶媒に対する溶解性
・求核剤との反応

ではいってみよー。

水、有機溶媒に対する溶解性

こいつについては見てのとおりになるのだけれど
・水と水素結合を形成できる0(極性
・疎水性のアルキル基(無極性
が両方ともあるよね?

これがどういうことなのかといえば…そう、“どちらにでも”溶けるっていうことなんだ。
つまり、水中だろうが有機溶媒中だろうが使うことができるとても便利なものってことだよ
※意味がわからなければ
基礎編:原子、分子の間に働く力
基礎編:溶解性
あたりをご参考ください。

何がどう便利なの?って思った人がいたら…そうだね…
選択肢をたくさんもっているって考えたらわかり易いかな。

理系科目特化、文系科目特化、芸術科目系特化
みたいに尖がったステータスも魅力的ではあるけど
得意不得意なくなんでも出来るとその分将来できることの幅は広がるよね?
そんな位置づけで活躍できる化合物さんです。

求核剤との反応

これは例を見ながらがわかりやすいかな?
気づいた人もいるかもだけど
まず場所によって電気陰性度に差が出来ている。
だから以下ように“電子の偏り”が発生しているんだ。

で、これから何が言えるかといえば
Oの両隣の炭素は求核攻撃を受けやすくなるんだ。
しかも3員環・・・つまりはひずみ度合いはとても大きいってことでさらに反応しやすさがアップする。
そんな状態の物質に求核剤が反応すると・・・まぁ2反応が起きるよね。

詳しい話は別途紹介するとして参考までに以下のような反応になるよ。

ちょっと話がとっちらかった感があるのでまとめると
ようはオキサシクロプロパン求核剤に対して超反応します!ってことだね。

特徴としては以上かな。

ではまた次回。

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