それでは続きからー
前回カルボン酸は「強い酸性」という話をしたよね。
酸性が強いということは自身はHを放出しやすい。
Hを放出をするってことは-の電荷をもった状態になる。
この状態はNaOH等の塩基からNa+等の+の電荷を持つものと反応しやすい。
つまりは塩を作りやすい、ということです。
この際、塩の名称はカルボン酸塩(carboxylate salt)と呼ばれている。
塩の命名法は
“金属名” + “カルボン酸の語尾-ic acidをateへ変換したもの”
例えば、上の
HCOOO-Na+
は sodium formate になる。
他にも
CH3COO-Li+
は Lithium acetate になります。
またこのカルボン酸塩はカルボン酸よりも水に溶けやすいっていう特徴がある。
言うまでもないかもしれないけど理由として、カルボン酸塩はイオン結合を持つからだ。
ようは
+や―が発生している状態 → 水和されやすい
ってことだね。
※詳細は 応用編:アルコールの特徴② で解説しています。
先程の例で考えると水溶性は
HCOONa > HCOOH
CH3COOLi > CH3COOH
となります。
さて最後に塩基性について
カルボン酸の場合、C=OのOが以下のようにプロトン化されるんだ。
さてここで先ほどアルコールの特徴②を見返した人は
カルボン酸のOHのOもプロトン化されるんじゃない?
と思うかもしれない。
まぁ確かにそんな感じもするんだけどより塩基性が強くプロトン化されやすいのはC=OのOになるんだ。
理由はここも共鳴だ。
プロトン化した後に共鳴構造が以下のようになるため、+が非局在化し、安定化するんだ。
OHにHが結合しても共鳴構造にはなれないよね?
だからC=Oの方をプロトン化した方がより安定な状態なんだ。
実際のところ以下のようにC=OのみHが結合し、OHにHが結合したものはできないってことが実験で分かっています。
ただHが付加した状態のpKaが -6と低いことから分かる通り、通常時と比べてとても不安定なのでHは付きにくい。
つまりは塩基性としては働きづらいということなんだ。
さてこの話は別の話(カルボン酸の誘導体)に関係してくるので忘れないように…
カルボン酸の特徴は以上です。
ではまた次回。
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