それでは前回の続きから
さて 水銀化 とまた聞きなれない単語が出てきたね。
この反応の目的としては
・Hg(OCOCH3)2(酢酸水銀)
・H2O
を用いて、OH1個を置換基が多いアルケンのCにつける反応になる。
前回説明したマルコフニコフ則に従ってるから
マルコフニコフ付加とも呼ばれているね。
※酢酸は式で書くと長いので
以降はAcと記載します。
AcはAcetate(酢酸の略)なので
酢酸水銀はHg(OAc)2ってことです。
2段階になっているから順番に説明するね。
まず最初の反応について
Hg(OAc)2が以下のように共鳴し、Hgが電子不足なる。
前回も同じような話があったよね?
そう今回も三角形が作られるんだ。
そして次の反応について
NaBH4によるHgOAc部分がHに置き換えられる。
一応ラジカル機構で進行すると考えられているのだけれど
まだはっきりしていないので、ただのお勉強レベルで追及される機会があんまりないかな。
なのでそのまま覚えてしまっていいと思います。
これは先ほど紹介した オキシ水銀化-脱水銀化 とは
逆のことをしたい時の反応だ。
つまり大きな目的としては
OH1個を置換基が少ないアルケンのCにつけたい時に使われるってことだね。
では例を見ていこう。
こちも2段階になっている。
そして真ん中に何だかよくわからない(汗)奴がいる。
・・・では順番に説明していくね。
まず最初の反応について
水素化と同じように同時にHとBH2が近づいている。
なんでこういった動きになるかというとBH3をルイス構造で見てみるとわかりやすい。
電子が入るスペースが2つあるので結合が可能になるってことだね。
この後Bに残った2つのHも同じ道をたどる。
結果、以下のような謎の化合物になるんだ。
そして次の反応について、
とりあえず箇条書きしてみよう。
さらっと描いたけど、加水分解反応は以下のようなイメージです。
上記を3回繰り返すと
③のアルコールとホウ酸ナトリウムが生成する、というわけだ。
さて一連の流れを見ると、最初の反応でBH2が結合した部分にOHがつくことが分かるよね。
BH2は近づきやすい、すなわち立体障害の少ない方に結合する。
だから置換基の少ないCに結合するというわけだね。
ではまた次回。
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