さて、ここからは各カルボン酸誘導体をディープに掘り下げていきます。
で、「カルボン酸誘導体」でひとまとめにしてしまうと
量が多すぎで萎えてくるので、タイトルのように細かく区切って説明しようと思います。
といったところでまずはタイトルにある通り、
ハロゲン化アシル
を説明していくよ。
ここでは以下の流れで説明していきます。
ポイントは以下の7つ…ということで2回に分けて解説していくね。
1.命名法
2.水との反応
3.アルコールとの反応
4.カルボン酸との反応
5.アミンとの反応
6.有機金属反応剤 との反応
7.還元反応
それではいってみよー。
さて大前提としてまず
アルデヒドとケトン
についての理解がないと読んでも理解はできない。
なので↓を見て?になった人は
応用編:アルデヒドとケトンの特徴① を復習してくだされ。
まぁ命名法については↑が理解できていればそんなに大したことはない。
上記+ハロゲンの名称(halide)を追加すれば完了になる。
さてここであれ?シクロアルカンは?
と思った人は中々に頭が回る人だ。
シクロアルカンについていた場合は、cycloalkanecarboxylic acid (シクロアルカンカルボン酸)を
cycloalkanecarbonyl halid(ハロゲン化シクロアルカンカルボニル)へ変えればいいんだ。
ちなみにI(ヨウ素)の場合は、iodide(ヨウ化)となります。
まぁここら辺の細かい話は 応用編:カルボン酸の特徴② で復習を
で反応機構はカルボン酸の反応で説明してるので詳細は省くけど以下のようになります。
ハロゲンは良い脱離基
という話もしたと思うけど、本当にその通りで
いろいろな求核剤と反応する。
ここから各求核剤との反応を詳しく見ていきます。
ということでまずは一番身近な水からだ。
塩化アルカノイルは水と激しく反応し、
・カルボン酸
・塩化水素
ができる。
反応機構は以下
水と反応し、新しい分解生成物が出来ているよね。
つまりは…?
そう、加水分解ってやつです。
続いて病んでいる人睡眠導入剤アルコールさん。
塩化アルカノイルとアルコールを反応させると素敵な香りのエステルさんができます。
上の例ではNEt3(triethylanmonium:トリエチルアンモニウム)を使ってるけど
他の第3級アンモニウム、アルカリ金属水酸化物やpyridine(ピリジン)を使ってもいい。
要するに塩基を使えばいい。
この塩基は生成するHClを中和して塩(上の例でいう塩化トリエチルアンモニウム)を作るために加えております。
そして反応機構は以下
ハロゲン化アシルは対応するカルボン酸から簡単に合成できる。
カルボン酸からエステルを合成する方法はエステル化の便利な方法なのでしっかり覚えておきましょう。
※細かい話は 応用編:カルボン酸の反応② で補填してください
これは 応用編:カルボン酸の反応③ の 酸無水物の合成法
で紹介済みなのでサクっと…
既に答えを書いちゃってるけど、以下のように酸無水物ができます。
反応機構は
応用編:カルボン酸の反応③ を読んでね!
ではまた次回。
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