では続きから

3.酸性度

前回のカルボカチオンのできやすさのところでも
出たけど超共役が働いているので以下のように安定化される。

数値で見るとプロパンより高くなるってくらいだね。

まぁオマケみたいなものとして覚えておいてください。

4.構造

3.で共鳴構造を描いたのだけれど
実際のところ以下のようにラジカルアニオンの形態もとれる。

では解説をば。
まず以下の軌道の状態を表した図を見てほしい。

まず二重結合があるので当然sp混成軌道がある。
で問題は単結合の部分なんだけど
単純に考えればsp混成軌道と思うかもしれないが、そうとはならない。

なんというか全ての共鳴構造を合わせたもの
になっているらしく、実際には
全てがsp混成軌道
と考えられているんだ。

さてこの前提を理解したうえで、まず一つ大事なことは
こいつは平面構造ってことだ。

そして3つのp軌道はお互いに相互作用をする。
この相互作用により、以下のように新しい分子軌道が3つ作られるんだ。


※赤い点線は反発してるということ表してます。

基礎編:原子軌道基礎編:分子軌道

で紹介したけど波には+と-がある。
そして重なり合ったり反発しあったりしてエネルギーは上下している。

上で描いた各エネルギーの関係性は

結合性軌道 < 非結合性軌道 = 通常状態 < 反結合性軌道

んで、カチオン、ラジカル、アニオンの状態を
基礎編:原子軌道 電子の入る順番を示した図に照らし合わせて見てみると
以下のようになる。

一番電子が多いアニオンでさえ、非結合性軌道どまりになっているよね。
だから相互作用しても不安定にはならない。
だから共鳴ができるということだ。

ちなみにこのようにp軌道上の電子が3つ以上の原子で行ったり来たりして安定化することを
電子の非局在化というよ。

特徴はこんな感じかな
次回は反応について解説していきます。

ではまた次回。

© 2020 猫でもわかる有機化学

軌道にはs,p,dなど様々な種類があるけど、これらはあくまで原子単体でのお話。
原子同士が結合した分子になると、また新しい軌道が生まれてくるんだ。

これがいわゆる分子軌道だよ。

例えばH2の場合だと1s軌道の重なりで結合ができる
さてここで重要なのはどうして結合するのか?ということ。

実は結合することで電子が1s軌道から結合性軌道に移動して下図のようにもともと持ってるエネルギーが下がるからなんだ。
ただし、反結合性軌道に入っちゃうと余計にエネルギーが高くなり不安定になっちゃう。

さて、ではどんなときに反結合性軌道に電子が入るのか?
原子軌道を思い出してほしいのだけれど、電子はエネルギーの低い方から入る
だから結合性軌道のエネルギーが満杯になったら反結合性軌道に入り始めますよって話。

例えばHe同士だと結合を作ろうと思っても反結合性軌道に電子が入り、単体でいるよりエネルギーが大きくなってしまう。
だから、He同士は結合しないんだ。

あと、軌道はエネルギーが近いものほど強固な結合ができる
近いものっていうのは例えば
・sとs軌道 ⇒ 強固な結合になる
・sとp軌道 ⇒ 1つくらいなら結合できる
・sとd軌道 ⇒ エネルギーが離れすぎなので結合できない
みたいに比べると分かり易いかな?。
軌道を組み合わせることで結合ができるってことは理解できたかな?。

原子軌道があって
今回解説した分子軌道があって
そして最後の混成軌道につながっていくよ。

つまり原子・分子軌道をしっかり理解してないと、混成軌道がちんぷんかんぷんになる。。。
だからしっかり理解をしてから次に進むようにしてね。

ちょっと短いけど、今回はこのへんで。

ではまた次回

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