SN1反応速度に影響を及ぼす因子

さて見覚えのあるタイトルだよね?
まぁ基本はSN2反応の時と一緒で

1.脱離基の脱離後の安定性
2.求核剤の強さ
3.溶媒和
4.基質の構造

がSN1反応に与える影響を解説していきます。
ではいってみよー。

1.脱離基の脱離後の安定性

とりあえず結論から
安定なものほど
反応速度は
速くなる
よ。

結論だけ見るとSN2反応と同じなんだけど
ちょっと違う部分もあります。
まずは下を

考え方として
安定
→遷移状態のエネルギーが下がる
→反応速度が速くなる
っていう考え方に違いはない。

ただし
電荷が分散(電子が広がっている)
しているSN2と違い、SN1
電荷が分極(電子が引っ張られている)
している状態の違いがある。
※理由は後ほど

2.求核剤の強さ

こいつも結論から
反応速度に影響を与えない
となる。

勘のいい人はまぁそうだよねーって思うよね。
分からない人はまず
そもそもSN1の”1″が何なのかを思い出して下さい。
※ピンとこなければ 基礎編:SN1反応

3.溶媒和

さてここからが本番になるかな。

結論をいうと
プロトン性溶媒では反応速度が速くなる
非プロトン性溶媒では反応速度が遅くなる
まずは以下を見てほしい。

左側がSN1反応は、右側のSN2反応と違って一方からしか電荷が引っ張られてない。
これがどういうことなのかというと、強く分極するんだ。
だからこの状態を安定させることで反応をより早く進めることができる。

さて上記からわかることは?

...そう
極性がある溶媒(プロトン性溶媒)を使うこと遷移状態が安定して早く反応が進む
ってことなんだ。

注意してほしいのはSN2反応とは着眼点が違うということ。
SN2反応の溶媒は攻撃に邪魔なものだけど
SN1反応は攻撃する部分より脱離基が脱離する時間しか関係ないから
遷移状態の安定性に注目しているってことは理解しておいてね。

4.基質の構造

もう想像がついてるかもしれないけど
まず結論として、反応速度は
3級>2級>1級>メチル
の順になるよ。
もっと簡単にいえばSN2反応とになるってことだね。

理由としては脱離基と同じで
超共役のおかげでメチル基が多くなるほど
カルボカチオンが安定化されるためだよ。

C+に電子が足りてないのでその電子を供給できる電池(メチル基)が多いほど安定みたいな感じだね。

よく聞かれることなのでついでにいってしまうと
SN1反応とSN2反応が発生する頻度状況によるとしかいえない。

だいたいどっちも起るし、反応によってどちらが起こりやすいかの差がある。
なのでそれは条件を見て見極める必要がある。
※多分教科書にものってるんじゃないかな~って思うけど、大まかには以下のような感じです。

SN2反応をやってたお陰で大分スッキリしたね。
SN1反応とSN2反応は対比する部分があるので
片方を理解していたら割りと覚えやすい。
今回はSN2反応が難しかったら先にSN1反応から見てみるのも良いかもです。

ではまた次回

 

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