それでは続きから~
最後のカルボン酸誘導体ということで
色々被ってますが、ご勘弁を…
ではお馴染みの水との反応から
ニトリルは水と反応(加水分解)し、カルボン酸ができる。
が、こいつの反応条件はかなり厳しくて
濃い酸か濃い塩基を使い
さらに高温で反応させる必要があります。
ということでそれぞれの触媒で見てみよう。
まずは全体の反応機構を見てみよう。
…まぁいきなりだと長すぎたと思うので
1つずつみてきませう。
①H2Oの攻撃
まず酸性ではNのプロトン化がおこる
ということで、ニトリル炭素が求核攻撃しやすくなる
結果、H2Oによる攻撃が発生します。
②中間体の生成
付加したH2OからHがとれることによって
アミドの互変異性体である中性の中間体が生成される。
③アミドの生成
ここでは先ほどの①がもう1回おこる。
ようするにNに2度目のプロトン化がおこることで、共鳴後のH2OからHが脱離する。
で、今後は結果アミドになるってわけだね。
④アミドの加水分解
さてアミドが出来たので、後はアミドの時と一緒になります。
※参考 カルボン酸誘導体-アミド②
こちらもまずは全体の反応機構を見てみよう。
酸触媒と同様こいつも長いので分割して説明していくね。
※アミドが出来るっていう方向性は同じです。
①OHの攻撃
塩基の場合、OHがニトリル炭素を直接攻撃するところからはじまり
その後、H2OからHをもらってアミドの互変異性体ができる。
②アミドの生成
次にOHのHが塩基によって引き抜かれ
2度目のN-プロトン化がおこり、アミドができる。
③アミドの加水分解
お察しの通りでアミドが出来るところまでいったので
後はアミドの時と一緒になります。
※参考 カルボン酸誘導体-アミド②
有機金属反応剤のような強い求核剤がニトリルと反応すると以下のようにケトンができる。
反応機構は以下の通り。
では詳細を見ていこう。
①求核攻撃
まず有機金属反応剤のR-がニトリル炭素に求核攻撃を行う。
②イミンの生成
①の後に酸性水溶液による後処理で中性のイミンが生じる。
※細かい話は アルコールの合成③ で書いてるので読んでみてね。
③イミンの加水分解
最後はタイトルの通り
結果として、ケトンが生成されます。
エステルやアミンと同じようにDIBALを反応させるとアルデヒドができます。
忘れていたら
カルボン酸誘導体-エステル②
カルボン酸誘導体-アミド②
辺りを読んでみてね。
反応機構は4.有機金属反応剤と同じなので…大部分は省略します。
LiAlH4のような強力なヒドリド反応剤を使用すると
二重のヒドリド付加が起こる。
こいつに水を用いた後処理を行うと、アミンができるってわけだね。
※この後処理も4.有機金属反応剤と同じなのでry。
ちなみにこのアミンを作る反応は、触媒(Ptなど)によって活性化した水素によってもできます。
参考 アルキンの反応①
これでカルボン酸誘導体の解説は終了です。
ではまた次回。
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