エノラートとエノールの反応④

それでは続きからー

3.アルドール縮合

(2)ケトン

アルドール縮合
って名前だけ見るとアルデヒドだけっぽくみえるけど
ケトンでも起こることがある。

まず以下のようにエノラートを作らないといけないんだけど
ここで問題が発生する。
実のところアルデヒドの時以上に平衡がに傾いているんだよね。
で、この場合だとエノラートが5%くらいしかできないんだ。

なぜかっていうとケトンはアルデヒドよりも安定だからだ。
※細かくいうなら共鳴構造時、電子供与基のCHカルボニルのCを安定化するから。

つまりアルドール縮合起こすために必要な最初の動きである
エノラートの生成がまず起こらないんだ。

だけどもちろんこの反応を進行させる方法がある。
方法としては2種類あってどちらも平衡を右に傾かせる為に生成物を取り除くっていうやり方だね。
どちらも特殊な作業が必要なものなので簡単な紹介だけしておきます。

①生成物であるアルドールを生成すると同時に取り除く

アルドールってようは有機溶媒なんだよね。
ということで水に溶けないことを利用して取り除くことができるんだ。
まぁあんまり主流じゃないかな。

②脱水反応を起こして生成した水を取り除く

これは反応を激しい条件(熱加えて反応機構④まで行う)で行って
脱水反応を起こすことで水を取り除く方法だね。
基本はこっちの方が主流です。

(3)交差アルドール反応

さっきまでは
1種類のアルデヒドから1種類のアルドール
が出てくる反応だったんだけど、
2種類以上のアルデヒドがあったらどうなるのか?
って考える人もいるよね。

ということでここからは複数の2種類以上のアルデヒドがある場合を考えてみよう。
ではまず以下の例を見てほしい。

アルデヒドが2つあるということはエノラートも2つ考えられるよね。
そして組み合わせを考えると…そう以下の4種類が考えられるんだ。

このように複数の組み合わせのアルドール縮合を
交差アルドール縮合(crossed aldol condensation)
と言うよ。

これだけ見ると
特定のアルドール縮合したものだけを取り出す
っていうのが難しそうに見えてくるかもしれない。

けどまぁご安心を。
特定のアルドールだけ作る方法は存在します。

ではその詳細を説明していこう。
まずは単純な話で
エノール化するもの(B)

そうでないアルデヒド(A)
に限定する。
こうすると当然のことながら生成物は4種類から2種類に減る。

そしてエノール化可能なアルデヒド(B)を
過剰なエノール化不可能なアルデヒド(A)と塩基の溶液にゆっくり加えていくと以下のようになるんだ。

これにより生成物を1種類のアルドールに絞ることできます。
※確率的に(B)の量が少ないので自ずと大量にある(A)の方がエノラート(b)と反応しやすいってことだよ。

ではまた次回。

 

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