さて今回は割りと馴染みのある酸、塩基について説明するよ。
多分知ってると思うけど塩基っていうのは所謂アルカリのことだ。
一般的なイメージでいえば
・酸⇒硫酸とかなんか何でも溶かす感じ、酸っぱい
・アルカリ⇒アンモニア水とか石けん(最近見ないかな・・・)
くらいの認識なのかな?アルカリの例えが難しいね・・・。
小中学生とかだと酸性を中性に変えることができるのがアルカリ性だーなんてことも習ったんじゃないかな。
単純な話でいえば性の字が示すとおり性質が酸なのか塩基(アルカリ)なのか?
っていうお話だね。
ではこの性質を定義する方法を解説していくよ。
まず酸とは水中で解離してH3O+を与えるものと考える。
要するに下のような感じ。
ここではH3O+を反応後に作ったのはHClだからこれが酸になるよ。
そして塩基は水中で解離してOH–を与えるものと考える。
こちらはこんなイメージ。
まぁ見たままの話なので問題としてあまり取り上げられるものじゃないので、あんまりしっかり覚えようとしなくてOK。
判断基準にこういうのがあるんだーっていうのを覚えておけば大丈夫です。
こいつにはさっきと違って1つの反応式に必ず酸と塩基が出てくるよ。
まずは下を見てほしい。
まず酸とは電子対を受け取るものと考える。
例でいうとBは電子を8個入れられる最外殻電子に6個しかないから受け取れるよね。
この定義上は別名ルイス酸とも呼ばれるよ。
そして塩基は電子対を与えるものと考える。
例でいうとO は自分だけの電子である非共有電子対を持ってるよね。
そしてこいつも定義上は別名ルイス塩基とも呼ばれるよ。
ただこいつもアレニウスよりは取り上げられる頻度は高いけど、それほど重要ではありませね。
さて今回紹介するなかで一番重要なのがこちら。
問題として取り上げられるだけでなく、有機化学を学んでいく上でも超重要。
なのでしっかり理解する必要があるってことを意識してね。
さて例によってまずは下を見てほしい。
まず酸とはH+を出すものと考える。
そして塩基はH+を受け取るものと考える。
共役酸:塩基がH+受け取ったもの
※反応右から左になるとするとH+出す側
共役塩基:酸がH+出したもの
※反応右から左になるとするとH+受け取る側
さてここまで紹介させてもらったけど多分いくつか?な部分があると思う。
例えば
なんで酸と塩基を定義する上で複数の定義があるのか?
その中で、なんでブレンステッド-ローリーが超重要なのか?
とか思ったんじゃないかな?
他にもあるかもしれないけど、今回は↑の2つの解説で締めさせていただきます。
まず複数定義が存在すること自体はおかしなことでなくて、歴史の流れの中では必然ともいえる。
一度解明した、もしくは完全に説明がつくわけではないけども経験則でこうとはいえるものがあって、その積み重ねの過程でいくつもの考え方(推論)が出てくる。
例えば天動説みたいに今では明らかに間違っているってわかるけど後々の世に残っているものもあるから、この変は歴史的な背景・流れを学べているんだ、という先人への感謝と共に受け止めていくべきかな、と思います。
で、ブレンステッド-ローリーについてももちろん歴史的な経緯があって、特に使われる範囲の広さから超重要という扱いになってるんだ。
まずアレニウスさんの考えについてなんだけど、最初に説明はしているけどこれはあくまで水溶液中での話になる。
これだと
塩酸 と アンモニア水 ⇒ 〇酸塩基反応
だけど
塩化水素 と アンモニア ⇒ ×酸塩基反応
っていう不都合が出てしまうんだ。
これが 1884年頃の話
で、これだと物足りないぜ!ってことで考えたのがブレンステッドさんとローリーさん(実は2人)。
これにより、水以外を溶媒とする溶液や気体中での反応にも適用できる考え方が誕生したんだ。
これが 1923年頃の話
ちなみにルイスさんのはブレンステッド-ローリーをさらに発展させたもので、これにより本来酸塩基反応に分類できない錯体の形成なんかが酸塩基反応として分類できるようになったってわけ。
これが 1938年頃の話
人に歴史あり、だね。(…違うか)
ではまた次回
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