有機化合物の分類

さて今までいくつか有機化合物の名前が出てきたと思うけど、結構どれも似たりよったりで覚えにくいところがある。

そこで今回はさわりとして、名前でどんな物か検討をつけれるようになることを目指して、有機化合物の分類を解説していくよ。

まず有機化合物は下図のように
・変化しない部分(炭素骨格:CとHだけで構成されたもの
・反応する部分(官能基:OやNなどC以外のものも含まれるもの
に分けられる。

この2つについてそれぞれ分類ポイントがあって、それを基準にどういった化合物であるかが分類されているんだ。
ちょっと数が多くて覚えるのが大変かもしれないけど、頑張ってね。

炭素骨格による分類

とりあえず下図をご参照。基本書いてあるまんまです。

で、芳香族炭化水素の条件がわかり難いかなって思うから補足します。
大きな特徴は以下の3つ。
4n+2個(n=0,1,2…)の電子を持つ
平面環状構造
・環状の共役系を持つ
※共役系っていうのは「C=C-C=C」みたいな単結合と2重結合の繰り返しのことです。

官能基による分類

官能基がない

アルカン

分子式がCnH2n+2で表現され、単結合だけで構成されているものだよ。
例えば以下のようなメタンがそうだね。

C-Cの多重結合

いくつか種類があるので順番に紹介するね。

● アルケン

分子式がCnH2nで表現され、2重結合があるものだよ。
例えば以下のようなメチレンがそうだね。

● アルキン

分子式がCnH2n-2で表現され、3重結合があるものだよ。
例えば以下のようなアセチレンがそうだね。

● 芳香族炭化水素

4n+2個(n=0,1,2…)の電子を持つ平面環状共役ポリエンのものだよ。
※難しい表現をしているけど、簡単にいえば多数のエチレン結合 (-CH=CH-) を分子内にもつ炭化水素群のことね。
例えば以下のようなベンゼンがそうだね。

Cと電気陰性度が高いものとの単結合

こいつもいくつか種類があるので順番に紹介するね。

● アルコール

分子式が-OHで表現されるものだよ。
例えば以下のようなエタノールがそうだね。

● エーテル

分子式がC-O-Cで表現されるものだよ。
例えば以下のようなジメチルエーテルがそうだね。

 

● アミン

分子式がC-Nで表現されるものだよ。
例えば以下のようなメチルアミンがそうだね。

● ハロゲン化合物

分子式がC-”X”で表現されるものだよ。
※”X”には周期表でいうところのハロゲン(F、Cl、Brなど)が入ります。
例えば以下のような塩化メチルがそうだね。

カルボニル(C=O)を含むもの

こいつも…いくつか種類があるので順番に紹介するね。

● アルデヒド

分子式にCHOが入っているものだよ。
例えば以下のようなホルムアルデヒドがそうだね。

● ケトン

分子式にCOが入っているものだよ。
例えば以下のようなジメチルケトンがそうだね。

● カルボン酸

分子式にCOOHが入っているものだよ。
例えば以下のようなエタン酸がそうだね。

● エステル

分子式にCOOが入っているものだよ。
例えば以下のような酢酸メチルがそうだね。

● アミド

分子式にCONが入っているものだよ。
例えば以下のようなメチルアミドがそうだね。

● 酸クロライド

分子式にCOClが入っているものだよ。
例えば以下のような塩化アセチルがそうだね。

まぁほぼ高校の範囲だし今更って感じだけど。。。やっぱり多いね。

この有機化合物の分類が何を基準としているのか?を把握しておくと次の命名法も分かりやすくなると思うので、出来るだけ覚えて進んでね。

 

ではまた次回

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