それでは続きからー
さて、今更になるけど
カルボン酸の以下のようにCOOHと書くカルボキシ基を持っています
このカルボン酸の構造は
・OH(ヒドロキシ基)
・C=O(カルボニル基)
が合体したもので、見ての通り
・塩基性のO が2つ
・酸性のH が1つ
・求電子性のC が1つ
ある。
また、C=Oの影響で平面構造をしている。
これからわかることは?…そうsp2混成軌道になっているってことだ。
※同じような話は 応用編:アルデヒドとケトンの特徴② でも紹介しています。
(1)で説明した平面構造、とsp2混成軌道のキーワードからも推測できると思うけど
カルボン酸は共鳴構造を持っている。
具体的には以下のような感じだ。
さて、ここでカルボニル基を持つケトンと共鳴構造を比較してみよう。
共鳴構造式がカルボン酸の方が多いことがわかるね。
つまり安定性は
カルボン酸>ケトン
ってことがわかる。
※ちなみに反応性は アルデヒド>ケトン だ…あとは分かるよね?
またカルボン酸はC=OとOHの2つが極性を持っているので
水やアルコールなどと水素結合を形成しやすい。
例えばCの数が少ないカルボン酸(Cが4個以下まで)は普通に水に溶けてくれるし
カルボン酸同士では以下のように水素結合を形成できるので、
溶媒が水素結合できないDMSO等の非プロトン性溶媒でも二量体として存在することができる。
このように
自分で水素結合しやすい → 引き離すのにより大きなエネルギーが必要
という特性から、カルボン酸は固体だろうが液体だろうが他の官能基と比べて融点、沸点は高くなる傾向がある。
例えば以下のような感じだ。
思わず
「圧倒的じゃないか、我が軍は」
と言ってしまいそうな程差があることがわかるね(笑)
さて最後に、カルボン酸の特徴として臭いもあります。
比較的分子量の小さいカルボン酸(Cが4以下)は揮発しやすくて、特徴的な臭いを持つ。
例えば
酢酸 → 食酢
ギ酸 → 刺激臭(普通に危ないので注意)
酪酸 → 銀杏のアレ
みたいな感じだね。
こいつが不思議なもので、応用編:アルコールの反応③ エステルの合成
で紹介したエステルになると
ドラゴンボールに出てきたくしゃみで人格が切り替わる人の如く
臭(汗くさい!)→匂(フレグランス!)
になります。
エステルについては色んな表現があってまとめずらかったので気になったら調べてみてください。
大体甘い果物+アルコールのような香りです。
キリがいいので今回はこの辺で~
ではまた次回。
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