基礎編:ハモンドの仮説
基礎編:ハロアルカン
基礎編:求核置換反応
。。。色々と前ふりが長くなったけど
ようやく、、、まずはSN2反応の概要から説明するよ。
求核置換反応でも紹介しているけど、
SN2の由来は反応速度に関わる分子が基質と求核剤の二分子あるから、だ。
まずこの“関わる分子”の部分から見ていこう。
この反応では下図のように
・求核剤(OH-)による部分正電荷をもつCへの攻撃
・脱離基(Br)のCからの脱離
が同時に起こっているんだ。
複数の構成要素が連携し合うことからこの反応は“協奏”反応ともいわれているよ。
さて、この反応では“基質”と“求核剤”の反応が“同時”に起こっているよね。
だから反応速度に“2つ”が関わってくるんだ。
ちなみに懐かしの反応速度を求めようとすると、式は以下のようになる。
反応速度 = k[基質の濃度][求核剤の濃度]
※kは高校化学でお馴染みの反応速度定数ね。
さて、実はSN2反応ではもう1つ特徴的なことが起きている。それは
1.“Backside Attack”つまり“後ろから攻撃”されている
2.反応後立体化学が反転している( S→R が R→Sになる )
ということだ。
「2つあるやん!?」
って突っ込まれるかもしれないけど、この2つはいってみれば
「2つで1つ」
のようなものなので。。。
それでは解説していきます。
まず以下の例を見てほしい。
<後ろから攻撃>
<前から攻撃> ※ありえない
“後ろから攻撃”ってよくいうんだけど個人的には
SN2反応では、求核剤は脱離基の”逆サイド”からやってくる
っていうのが覚えやすいかなって思うよ。
前からの攻撃が”ありえない”っていうのは細かく話すとまた長くなるので、
ざっくり“この方がスムーズ”だからって覚えてもらえばいい。
入れ替えをするより、押し出しをした方が動きの流れがスムーズな感じがするじゃない?(笑)
そんな感じです。
昔の人はSN2反応が起こったとき、必ず旋光性が逆転していることに気づいた。
そこから色々考えているうちに
「後ろから攻撃しているんならこの理屈は成り立つのではないか?」
ということに気づいたんだ。
実は今ではより細かい理屈が確立されていてHOMOとかLUMOっていう軌道の概念がある。
まぁここら辺は専門分野になるので、興味がある人は調べてみるとよいよ。
ではまた次回。
© 2019 猫でもわかる有機化学