さて、今回からは
β-ジカルボニル化合物(1,3-ジカルボニル化合物)
について
見たようなことのある名称がいくつか入っているので
なんとなく想像はついているかもしれないけど
以下のような構造を持つ化合物のことを指します。
もしかして見たことある?と思った人もいるかもしれないね。
似たようなものとして エノラートとエノールの反応③
で紹介した アルドール縮合 というものがあった。
忘れていたら読み直しておいてほしいんだけど
アルドール縮合の生成物は
β-ヒドロキシカルボニル化合物
でC=O部分がC-OHになっている。
β-ジカルボニル化合物も反応部分は結構アルドール縮合に
似ているので比べてみてください。
さわりはこんな感じで、今回も以下のような感じで説明していきます。
1.命名法
2.Claisen縮合
3. Claisen縮合の失敗と逆Claisen縮合
4.混合Claisen縮合
5.Dieckmann縮合
6.ケトンとエステルのClaisen縮合
7.Claisen縮合の合成反応への応用
8.β-ジカルボニル化合物の有用性
9.アセト酢酸エステル合成法
10.マロン酸エステル合成法
それでは行ってみようー。
さて命名法と書いてはいるんだけど
今回は特筆するようなものがあんまりない。
なぜかっていうと今回は2つの官能基が合体している
つまりは規定の組み合わせてで成立する形となるからだ。
※忘れている人は復習をしてください。
なのでとりあえず抑えておきたい3パターンを紹介します。
ケトンの命名法についての詳細は
アルデヒドとケトンの特徴① を参照
ケトンは語尾を -one だったよね?
これが2つある、ということで -dione となります。
まぁこういうのは何よりも実践が第一なので例を一つ。
2,4番目にC=Oがあるので 2,4-dione
Cは全部で5つなので penatane
あとは基本構造+接尾辞の順番に合体
するから pentane-2,4-dione になるってわけです。
エステルの命名法については
カルボン酸誘導体-エステル① を参照
エステルの語尾は -oate だね。
そして次に関係するのは官能基の優先順位だ。
優先順位はエステル>ケトン
なのでケトンは接頭辞の名称 oxo- になる。
これも一つ例を見てみよう。
優先順位の高いエステルから数えて
3番目にケトンがついてるので 3-oxo
官能基はアルファベット順なので methyl3-oxo となる。
ここまでが接頭辞だ。
そしてCは4つなので butane
ただし今回接尾辞はエステルなので butanoate
なので最後は合体させて methyl3-oxobutanoate になるってわけです。
カルボン酸の命名については
カルボン酸の特徴① をry…
語尾は -oic acid
これが2つあるから -dioic acid
このパターンで気にするのはこれくらいかな。
例を見てみよう。
Cが3つで propane
注意点として英語的な問題でeが削れるので
最終的には propandioic acid になるってわけだ。
最初に書いた通りこれはあくまでよくあるパターンなので
組み合わせはまだまだ考えられるんだけど
全部書いちゃうと結構しんどいのでこれくらいで抑えておきます。
興味がある人は調べてみてください。
本日はここまで~
ではまた次回。
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