ベンゼンの反応②

では前回の続きから

3.ニトロ化

モータースポーツの蠱惑的キーワードが出てきてワクワクな人もいるんじゃないかな(笑)
冗談はさておき、こいつについては単純に
HNO(硝酸)とHSO(硫酸)といった
某「男塾」によく出てくる化合物
を使った反応になります。

難しい考え方は特になく
SOは以下のようにHNOをNO、ニトロニウムイオンという求電子剤にするために使ってます。

で、+に帯電して求電子攻撃しやすくなったので次はお決まりの反応。

詳細は別途紹介するのだけれど
NOがついちゃうとベンゼンの反応性が低下しちゃうので
2つ目のNOがつくことはありえませぬ。。。
あと頑張って付けよう!としようとすると100℃以上の熱を加える必要があってまぁ色々面倒なのですね。

この「反応性が低下する」理由についての詳細は
別にベンゼン誘導体の話をするので
そこで説明しようと思います。

4.スルホン化

こいつは発煙硫酸という
SO(三酸化硫黄)とHSOの混合物を使う。
※ちなみに濃硫酸だけでも可能だけど…速さが足りない!!

何となく想像がつくと思うけど
以下のようにSOがHSOからHを受け取って
求電子攻撃しやすくなってます。

そして反応機構は以下の通り…

さてこれでOKと思いたいところだけど
実はSO受け取らなくても反応は起こりますのでご注意を。

そして反応機構は以下の通り。

どちらか片方ではなく、両方起こっているってことに注意しておこう。

そしてもう1つ注意してほしいのは両方ともが
可逆反応
ということ。
何が言いたいかというと
以下のようにベンゼンスルホン酸を希釈水溶液中で加熱すると
元に戻る反応が起こるのです。

これはSOとHOからHSOができる反応(水和反応)を利用しています。
ちなみにこいつは発熱反応なので実際に反応をさせる時はご注意を。

そしてこいつに関しても3.ニトロ化で紹介したやつと同様に
SOHつくとベンゼンの反応性が低下するので
2つ目のSOHがつくことはない。
まぁ詳しくはベンゼン誘導体でry。

キリがいいので今回はここまで~。

ではまた次回。

 

© 2020 猫でもわかる有機化学