アルデヒドとケトンの反応③

それでは続きから~

4.アルコールの付加

ポイントは大きく4つ
では順番にいってみよー。

(1)アルコールの付加とは

カルボニルとアルコールを反応させると、以下のように
ヘミアセタール(hemiacetal)
アセタール(acetal)
と順々に変化する。
hemiとはギリシャ語で半分の意味。

基本的に中間体であるヘミアセタールは不安定
なので一気にアセタールになります

上の反応ではカルボニル→ヘミアセタールの反応を酸性条件にしているけど
以下のような塩基性条件でもOKです。

ただし注意点として、その後のアセタールになる反応は
酸性条件
でないと不可能。

さて、これだけを見ると塩基性条件ならヘミアセタールを単離できるんじゃない?
と思う人もいるかもしれないけど、この可逆反応は思いっきり
すなわちカルボニルの方に傾いている
このため何もしなかったらヘミアセタールを単離することは不可能なので
特別な操作が必要になってくるんだ。
※詳細については後述の(3)でやるよ。

(2)反応機構

では、酸、塩基触媒でそれぞれの反応機構を詳しく見てみよう。

①酸触媒

カルボニル→ヘミアセタールの反応機構

ヘミアセタール→アセタール

この酸性条件下での反応機構の注意点は3つある。
まぁ既出のものばかりのはずなので、忘れていた人は復習を。

1.OHはマイナス発生するので脱離しない

2.第四級炭素ではS2反応は起こらない

3.ORは発生しない

②塩基触媒

カルボニル→ヘミアセタールの反応機構

何度も言うけど塩基性条件では
ヘミアセタール→アセタールの反応は起こらない
のでご注意を。

そして今度は塩基性条件下での反応機構の注意点だ。
塩基性の場合は2つある。
酸性条件と似ているから勘違いしないように注意しよう。

1.第四級炭素ではS2反応は起こらない

2.ORは発生しない

さて↑の注意点をまとめると

共通:第四級炭素ではS2反応は起こらない
酸触媒:-は発生しない
塩基触媒:+は発生しない

となります。
きりがいいので本日はここまで~

ではまた次回。

 

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