共鳴

さて以前 ルイス構造 を扱った時、サンプルイメージで電子の位置を固定化して紹介してしまっていたと思う。
まぁ2次元の画像で表現することがどだい無理な話なのだけれど、勘違いをしてしまっている人もいると思うので今回はその部分について触れたいと思う。

まず教科書的に紹介すると「共鳴」とは
「一つの化学構造式で表せず、二つ以上の式の重ね合わせとして表される状態。」
というもので・・・これは見た方が早いので下図を見てほしい。

注意してほしいのはこれは別に反応を繰り返しているわけではない、ということ。
この電子は分子内の複数の原子にまたがって分散している状態になっている。
先に紹介したπ結合とかはがまさにそうなんだけど、電子にも

・一人が不安。
・自分に(都合が)いい人がいれば安心。
・いい人がいない⇒色んな人と適度に付き合って安心。

みたいな人間臭さがある、と思うと分かりやすいんじゃないかな。
実際あぶれた電子はあっちこっちに行くことでより安定した状態に近づけるのだから。

この言ってみればどちらにもいる状態「非局在」っていう言葉で表現される。

「共鳴」は、1重結合と2重結合が瞬時に変わること
「非局在」は、どこ(どちら)にも存在すること

ややこしいしそこまで拘る必要はないと思うけど、まぁ参考までに。

さて気を取り直して、続きをば。
共鳴構造について、大事な考え方を一つずつ紹介・解説していくよ。

1.原子の位置を動かしてはならない。

これは概念っていうか共鳴構造式を描く時のルールみたいなものなのだけれど、共鳴構造式っていうのは何を表現しているか?っていう事を考えてほしい。
こいつが表現したいのはあくまで「電子配置の違い」なんだよね。
だから他のところに手を入れられるのは単純に主旨から外れちゃう行為なんだ。
「ルールだから」というのはあまり使いたくないけど、これについては突っ込むとキリがなくなるので以上です。

2.共鳴に関わる原子はすべて同一平面上(p軌道の重なり)

ようは共鳴結合については基本的にσ結合では起こりえず、π結合なら起こりえる、という意味だよ。
↑についてはまぁそもそも論になるんだけど、まずなんで「共鳴」が起こっていたのかを思い出してね。
あとは・・・まぁ単結合を切断しちゃうと別のものになっちゃうからね。

3.共鳴構造が多くかけるものほど安定

共鳴構造が出来ているのは不安定(電荷に偏りがある)な部分ができてるってことになるけど、それをカバーする
共鳴構造がたくさんあれば安定に近づきますよって話。
まぁ多い少ないは問題やって慣れた方が早い話なので、頑張って。

4.実際の原子はどの共鳴構造式より安定

そもそも「原子」が何なのか、そして「共鳴」はどういう「状況」で起きているのか?
を考えたらわかると思うよ。
※ヒントは「電荷」ね。

5.共鳴構造の安定性

この「安定性」は共鳴構造以外にも色々と関わってくるのできちんと理解してから進んでね。
どっちがより安定?っていうだけでなくて色んな事象に対してより安定だからこうなる、より不安定だからこうなるっていう理屈付けをする時にとても大事なものだから。

ではいくつかあるので順に説明していくよ。

(a)負電荷はより電気陰性度の大きい原子上にあった方が安定。
「電気陰性度」を覚えていればなんとなくニュアンスは理解できるんじゃないかな。
忘れている人の為に説明すると、電気陰性度は「原子が電子を引き寄せる強さ」だ。
強さは「一般的に周期表の左下に位置する元素ほど小さく、右上ほど大きくなる」とされている。
強い力で引っ張って固定した方が、弱い力で引っ張って固定するより安定してそうだよね?つまりはそういうこと。

(b)オクテットを満たしていないものは不安定。
オクテットはルイス構造でも出てきたので忘れてたら復習してね。
オクテットは化合物やイオンが安定になる条件(正確にいえば経験則)だから当然満たしていないとより不安定だよ。

(c)電荷持ってないものの方が安定。
まぁ電荷(+、-)で繋がっているより、結合(線)線で繋がっている方が固そうじゃない。そういうこと。

(d)歪んだ結合角、結合長を持つものほど不安定。

歪んだっていうか他と違う形(角度)をとると全体的に均一な感じが損なわれるのは雰囲気で分かるかなって思う。
サンプルの右側も考え方としては面白い。
だけどやっぱり一般大衆は同調を求めるものなのです(笑)。

ではまた次回

© 2017 猫でもわかる有機化学

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